2012年3月4日日曜日

Google Voice を 日本国内のAndroid携帯で使う(1)

Android携帯にGoogle Voiceを設定して、携帯電話から安価で国際電話がかけられる環境ができたので紹介する。

Google Voice というサービスが、2009年に米国で開始された。これは、米国内のGoogleユーザーに米国の電話番号を無償配布し、個人が持つさまざまな電話の代表番号として使ってもらおうというサービスだ。自分が Google Voice アカウントに登録した個々の電話番号に対して、WeekdayとWeekendに分けて細かく応答可能な時間を設定でき、応答できなかった場合でも、Google Voice が留守番電話となって、相手のメッセージを録音してくれる。しかも、その内容をテキストデータに変換し、設定されたメールアドレスに転送してくれるのだ。更に、VoIP電話を使用するのでGoogel Voice を通して電話をかければ、長距離電話や国際電話も格安でかけられる。もはや完璧といっていい電話サービスである。
ただ、これは米国内のサービスで、日本国内では全く使えない。アカウント登録さえできない状況であった。2011年、このGoogle Voice が、日本でも使用可能になったというアナウンスがあった。ついに来たかという思いでGoogle Voice のホームページにアクセスすると、確かにアカウントを開設することができた。しかし、特に電話番号が付与されるわけではないようで、日本のGoogle Voice アカウントでは、パソコンのGmailのチャット窓や、Google talk などのチャットプログラム経由で、固定電話や携帯電話に電話がかけられるようになるようになるというだけで、Google Voiceで電話が受けられるわけではなかった。つまり、最も中核を成す代表電話機能が使えないという、まったくガッカリな内容だった。
実はこれまでにも、米国内にあるPROXYサービスを通じて、米国からのアクセスになりすまし、米国の Google Voice のアカウントを取ることはできた。しかし、そこで付与されるのは米国内の電話番号である。しかも、転送先に設定するのは米国内の電話番号に限られており、日本の電話番号を設定することはできない。電話以外の転送先としてGoogle talk への転送設定が可能だが、これはどうやらPC上のGoogle talk に限られており、Android携帯などにインストールしてあるGoogle talk アプリへは転送されないようだ。
日本から孤立した電話番号だけがポツンと米国内にあっても、実質使うことができなかった。
どうしても使いたければ、何らかの方法を駆使して無料あるいは格安のVoIPサービスで米国内の電話番号を取得し、ここに転送させるしかなかった。米国内の電話番号とAndroid携帯とはSIPソフトと呼ばれるアプリで紐付けして、ネットワーク経由で接続すれば、一応、Android携帯からGoogle Voice を通して電話をかけることができるし、Google Voice にかかってきた電話をAndroid携帯で受けることも出来る。
しかし、これは無駄な話である。わざわざGoogle Voice を使うために、別の電話番号を取るのならば、この電話番号をそのまま使えばいいわけだ。勿論、それでもGoogle Voice でラップするメリットはいろいろあるのだけども・・・・・
実は、今からこのような二重米国電話番号方式でGoogle Voiceを使おうとすると、大きな問題が発生する。
2006年にSkypeキラーとも呼ばれながらGoogle Voiceより早くスタートしていたVoIP電話サービスGizmo。これを使えば、日本からもインターネット経由で米国の電話番号を無料で取得することができた。日本人がGoogle Voiceの転送先として設定する場合ほとんどがGizmoだったようだ。しかしながら、2009年、米国内でGoogle Voieの本格サービス開始の数ヶ月後、このGizmoは、なんとGoogleに買収されてしまう。
GoogleがGoogle Voice向けと、Gizmo向けに電話番号を2つずつ無料で与えてくれるはずもなく、Gizmoの新規アカウント登録は停止され、2011年にサービスを終えてしまう。
2003年、SkypeがP2P電話サービスを開始してから、インターネットを使った音声通話サービスのブームが起こった。特に2005年にSkypeがeBayに買収されてからというもの、インターネットを使って格安の国際電話がかけられるというサービスがいくつも始まった。SkypeはSkype同士なら無料だが、一般の電話からSkypeへかけるための電話番号を取得するには費用が発生する。しかも、その費用は3ヶ月とか6ヶ月単位で必要になる。ここに目をつけた後発の業者は、どこも新規ユーザーを取り合って無料サービスを打ちまくっていたのだろう。期間限定などの制限をつけて無料の電話番号を発行していたところは、Gizmo以外にもあったようだ。しかし、それがGoogle Voiceの登場によって、一段落ついた形になったようだ。
このあと、それまで日本からのアクセスでも無料で米国内電話番号を発行してくれていた業者が軒並みサービスを終了、あるいは有料化している。
しかし、そうなると、日本から米国のGoogle Voiceを使う場合の魅力は半減する。たとえ何かの方法を使って安価で転送用の米国内電話番号を取得できたとしても、滅多にかけない国際電話のために、電話番号の維持費が継続的に取られるようではちょっと厳しい。年間どれくらい国際電話をかけるかを予測しながら算盤を弾くとなると、一気に敷居が高くなる。

>> (2)へ続く....
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